iOS 14.5 知っておくべき新機能
1. iOS14.5 新機能
- マスク着用時のFaceIDのロック解除(AppleWatch必要)
- AppTrackingTransparency
- 渋滞・事故などの道路状況の報告
- サードパーティ音楽アプリのSiri対応
- デュアルSIMでの5G開放
- PS5・XboxSeriesXのコントローラー対応
- FindMyでのBeats製イヤホン対応
この中で特に知っておくべき機能はマスク着用時のFaceIDロック解除およびAppTrackingTransparencyです。
本記事では、この二つの新機能について詳しく解説します。
2. FaceID
COVID-19の影響によりマスク使用時にFaceIDが使えない問題が解消されます。
2-1. 必要なもの
- FaceID対応iPhone(iOS 14.5)
- AppleWatch(watchOS 7.4)
2-2. 設定手順
- WatchアプリでAppleWatchとiPhoneがペアリングされていることを確認
- Watchアプリで「パスコード」(設定してない方は設定する)→「iPhoneでロックを解除」のトグルをオンにする
- 「設定」→「FaceIDとパスコード」へ進む
- 画面中部の「APPLE WATCHでロック解除」のトグルをオンにする
2-3. 注意点
- AppleWatchにパスコードを設定していないと使用できない
- iPhoneのWi-Fiがオフの環境下では使用できない
上Youtubeは英語での設定方法の解説ですが、設定箇所がわかりにくい方は参照してください。
3. AppTrackingTransparency
近年Appleはユーザーのプライバシー情報保護の方針を強く打ち出しています。
その中でも特に重大な新機能としてApp Tracking Transparency(ATT)が導入されます。
3-1. 背景
モバイル広告は現在IDFA(広告識別ID)と呼ばれるAppleが各端末(iPhoneやiPadなど)に割り振っている個別識別IDを利用してユーザーの情報を入手しています。これによりユーザーの行動データなどを容易に把握できるようになっています。今まではアプリ製作者がIDFAを勝手に取得し、それを事業者間で受け渡しするなどの広告モデルが存在しています。
例えば、A社アプリ内にB社のアプリの利用広告を出し、それ経由でインストールが行われると、B社からA社への広告費用の発生(リワード広告)。
IDFAはWebサイトからアプリまで横断的にユーザー情報を追跡することが可能でした。
現在AppStoreでは、各アプリがどのようなデータを収集・トラックしているかがわかるようになっています(上記左図)。
3-2. AppTrackingTransparencyとは
AppleがiOS 14.5にて導入するのがAppTrackingTransparency(ATT)と呼ばれるものです。
これによりアプリ提供会社がiOS 14.5以降の端末でアプリを初回起動する際にユーザーにIDFAの使用許諾を通知しないといけなくなります。ユーザー側は上記通知画面にてIDFAを許可するかどうかを選択することができ、許可しないことが可能です(上記右図)。
Appleのガイドラインによって、アプリ開発者側はトラッキングの拒否によってアプリの機能を制限することを禁止しているため、基本的には許可しないことをおすすめします。
注意点(トラックを拒否した場合)
- ユーザーデータに基づいて最適化しているアプリが非最適化される可能性(Amazonアプリ内トップページのおすすめ商品など)
- リワード広告に関するユーザー報酬の廃止の可能性(ゲームアプリ内の広告ビューによる報酬など)
開発者側(広告主)にとっては大きなデメリットとなる今回の新機能ですが、ユーザー側にはメリットが大きいアップデートになっています。